?相続税と贈与税の課税のしくみ

(H20.12月号掲載)

Q

相続税と贈与税の課税のしくみと関係はどのようになっているでしょうか。また、相続税と贈与税の税金はどちらが高いのでしょうか。

受付
A 有料老人ホームの入居者のうち、介護保険の要介護者等(要介護者または要支援者に該当する入居者、以下同じ)に該当しない入居者に対して行なわれるサービスは、課税売上となります。
 相続又は遺贈によって財産を取得した時は、相続税が課税されます。しかし、相続又は遺贈によって取得した時だけ課税の対象とすればあらかじめ生存中に将来、相続人となる人たちに財産を贈与することによって、相続税のほ脱や累進税率が回避できることになり税負担の公平が保てなくなります。
したがって、これを防止するとともに税負担の公平を図る意味から、生存中に財産の贈与があった場合には、その財産に対しては贈与税を課税することとしています。要するに贈与税は相続税の課税されない部分を補完するために設けられたため、相続税の補完税と言われています。このように贈与税は相続税の補完税としての役割を持っているので、相続税に比べて課税最低限も低くかつ、税率も高く定められています。
また、死亡した者が生前に税法上の特例・特典などを利用し、あるいは租税回避をするなどにより蓄積をした財産を相続の時点で把握し精算させるという所得税の補完税としての役割も持っています。
以上、相続税と贈与税の課税のしくみとその関係について説明しましたが、贈与税は相続税の補完税であり、また贈与税は相続税の節税に役立つ存在でもあります。


 例えば、贈与税の基礎控除を毎年利用すれば110万円が確実に無税で生前贈与することができます。なお、相続の開始前3年以内は相続財産に加算されます。また、それ以外の特例を利用して効率的な相続税の節税をすることができます。
以下に贈与税の特例関係を掲げましたので参考にしてください。
1. 贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の配偶者に対して、居住用不動産あるいは居住用不動産を取得するための金銭を贈与した場合は、基礎控除110万円のほかに2000万円が控除されます。また、相続の開始前3年以内であっても配偶者控除額に相当する金額については相続財産として加算する必要はありません。

2. 相続時精算課税制度

この制度は生前における贈与による資産の移転の円滑化を目的として創設され、原則として父又は母からの贈与の場合で「相続時精算課税選択届出書」の提出があれば、一定の要件のもと基礎控除110万円に代えて2500万円が控除されます。また、住宅取得のための資金贈与の場合には1000万円が上乗せされます。さらに、税率は累進税率でなく定率の20%となり納めた贈与税は相続税の申告で精算されます。なお、この制度は事業承継対策の上でも大きな効果が得られ積極的に活用されるようになると考えます。

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)

http://www2.kinzei.or.jp/~himeji/