?合併で節税できるってホント?

(H22.4月号掲載)

Q

当社は、製造業を親会社で卸売業を子会社で営んでいる中小企業です。この2社を合併したいと思っています。合併により節税ができるとお聞きしましたが・・・。

受付
A

組織再編税制に規定する適格合併に該当すれば、合併で節税することができます。

 

最近の不景気で上場企業においても合併による、経費節減や店舗の統廃合が進んでいます。中小企業においても戦略的な合併が多く行われています。

 
(1) 合併の意義

合併とは、会社法等の法律の規定に従い複数の会社が合体して一つの会社になることです。合併においては、合併される会社(以下「被合併法人」という)が解散し、その一切の権利義務が存続会社又は新設会社(以下「合併法人」という)に移転されます。

(2) 合併の種類

合併には、被合併法人の権利義務の全部を既存の法人(合併法人)に承継させる「吸収合併」と、2以上の被合併法人の権利義務の全部を合併により設立する法人(合併法人)に承継させる「新設合併」とがあります。しかし、現実の合併のほとんどは吸収合併です。

その理由は、新設合併では当事会社のすべてが解散するため、諸官庁の許認可、財産権の移転登記、各種登録、新株発行手続きをすべての会社で新たにやり直さなければならないため非常に煩雑であるからです。

(3) 適格合併の意義

合併による被合併法人から合併法人への資産等の移転は原則時価譲渡として取り扱われ課税されます。ただし、移転資産等に対する支配が継続していると認められる合併(以下「適格合併」という)については、強制的に簿価引継ぎとされるため課税は生じません。 「適格合併」とは被合併法人の株主等に合併法人の株式以外の資産が交付されない、次の@からBのいずれかに該当する合併をいいます。

(4) まとめ

3)に示すように税務上の「適格合併」に該当しなければ合併による移転資産等(土地、建物、車両、有価証券など)は時価で譲渡されたものとみなされて課税され、株主も被合併法人の株式を譲渡して合併法人の株式を取得したものとみなされ、譲渡益課税及びみなし配当課税が行われます。

しかし、「適格合併」に該当すれば移転資産等は引継ぎとみなされて課税されず、株主に対する課税も同じく繰り延べられます。

ご質問のように親子会社間で合併する場合は、(3)に規定する「適格合併」に該当すれば移転資産等には課税されず、株主にも課税されません。また、移転資産等に土地又は建物等がある合併の場合には不動産取得税は免税となり、登録免許税は軽減税率が適用されます。

また、「適格合併」のうち一定の要件を満たすものについては税務上の繰越欠損金を引継ぎできる場合もあります。 このように税務上の恩典が多い「適格合併」ですが要件を満たさなければ「非適格合併」と認定され、課税の対象となりますので注意が必要です。

また、平成22年度税制改正により100%グループ内の資産の譲渡取引等について譲渡損益を繰り延べることになりますがこの譲渡による不動産取得税及び登録免許税については税制上の恩典はありませんので注意が必要です。

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)

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