?上場株式の売却は年内が有利か?

(H22.9月号掲載)

Q

父から相続した株券を自宅に保管しています。上場株式は今年中に売却した方が有利(な場合がある)と聞きましたが、どうしてでしょうか?

受付
A

株式等を譲渡した場合の所得は、「株式等の譲渡にかかる収入金額(以下、「売却代金」と言う)」から「株式等の取得費(以下、「取得費」と言う)」と「譲渡費用」を控除した金額とされております。まず、相続により取得した上場株式等の取得費は被相続人の「取得費」を引き継ぎます。次に、被相続人、つまりお父様の「取得費」がいくらかですが、「取得費」が分からない場合は、売却代金の5%とすることとされています。また、「みなし取得費の特例」として平成13年9月30日以前に取得している場合は平成13年10月1日の終値の80%に相当する金額とすることもできますが、この特例の適用期限は平成22年12月31日までとなっています。

ご質問のように、有利になる場合(平成13年9月30日以前に取得した上場株式の実際の購入代金と売却代金の5%相当額のいずれもが、平成13年10月1日の終値の80%より低くなる場合)には、この特例を利用して今年中に売却した方が、株式等の譲渡所得にかかる税金が少なくなり、有利になる(場合がある)と考えられます。

ただし、投資の観点については考慮に入れておりませんし、「みなし取得費の特例」以外の税制についても考慮に入れておりませんので、総合的な判断の上ご自身の責任のもとで手続きを行ってください                         

解説 上場株式等を売った場合     

売却代金 > ( 取得費 + 譲渡費用 )  
申告をして税金を納めます。
売却代金 < ( 取得費 + 譲渡費用 )
他の株式等の譲渡の譲渡益と通算できるほか、申告により翌年以降3年間繰越控除することができます。
上記の「取得費」は、
@実際の購入代金
A売却代金の5%
B平成13年10月1日の終値×80%(下図参照)
Cお父様が名義変更をしていない場合、名義変更した日を取得時期とし取得費を算定

以上を比較し有利な金額を取得費とすることができます。
なお、前述の通りBの適用は、平成22年12月31日までです。}
[Bの概要]

Bの概要

<注1> 銘柄により、事情が大きく異なりますので、個別銘柄ごとにご検討下さい。
<注2> 証券税制については、「みなし取得費の特例」の他、「10%軽減税率」や「損益通算」など多様な取扱いがございます。

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)

http://www2.kinzei.or.jp/~himeji/