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(H22.12月号掲載) |
Q |
私は青色申告者ですが、友人の話によりますと、貸倒引当金を設ければ節税になるとのことです。貸倒引当金とはどのようなものですか? |
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A |
事業をしておりますと多かれ少なかれ貸倒れの発生の危険があります。貸倒引当金とはこのような貸倒れが発生した場合にその損失を補てんに対応するため、その損失見込額をあらかじめ必要経費に算入することを認めようとする趣旨のものです。 |
その年末における貸金合計額×55/1,000 (金融業以外の事業)
(注)金融業については33/1,000
貸倒引当金を設ける場合にその対象となる貸金と、対象とならない貸金とに区分して説明しますと、おおむね次のとおりとなります。なお、貸金合計額とは下記の@からBを差し引いた金額となります。
イ | 事業遂行上生じた売掛金、貸付金 |
ロ | 事業遂行上生じた役務の提供の対価である未収加工料、未収請負金、未収手数料、未収保管料及び貸付金の未収利子等 |
ハ | 割賦販売未収金及び延払条件付販売の未収金 |
イ | 保証金、敷金、預け金など |
ロ | 手付金、前渡金などで資産の取得の代価にあてられるもの |
ハ | 前払給料、概算払の旅費、前渡しの交際費等のように将来精算される費用の前払いとしての一時的な仮払金、立替金 |
ニ | 雇用調整給付金などのように法令の規定に基づいて交付を受ける給付金等の未収金 |
売掛金などの債権があっても、その債権に係る債務者から受け入れられた金額があるため、実質的に債権とみられないもの(例えば、同一人に対して売掛金を有する一方、預り保証金や支払手形がある場合の預り保証金や支払手形の額に相当する売掛金の額)
(注1) | 必要経費に算入された貸倒引当金の金額は、その繰入れをした年の翌年にその金額を事業所得の計算上、総収入金額に算入する必要があります。つまり、毎年貸倒引当金を洗い替えることになります。 また、貸倒引当金勘定への繰入れ制度の適用を受けるためには、原則として、確定申告書に添付する青色申告決算書に貸倒引当金勘定に繰入れた金額の必要経費への算入に関する明細の記載がなければなりません。 |
(注2) | 上記の設定方法は、青色申告者だけが適用できる「一括評価方式」によるものです。この他、貸倒引当金の設定方法については、一定の事由が生じた場合に繰り入れることが出来、また青色申告者、白色申告者を問わず適用される「個別評価方式」もございます。 |
詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)
http://www2.kinzei.or.jp/~himeji/