?過去の残業代を不払請求された場合

(H23.10月号掲載)

Q

当社は元従業員Aに毎月20万円(所定給与と残業代とを区別していなかった)の給与を支払っていましたが、その元従業員Aが今年に入り一身上の都合という理由で退職しました。
 その後、数日経ってから元従業員Aから未払いの残業代を支払ってほしいとの書面が届きましたが、当社はこの件には対応せず無視していたところ、労働基準監督署から呼び出しがあり、当社は20万円の給与には残業代が含まれているとの主張をしましたが、結局、平成21年分60万円、平成22年分50万円を平成23年7月に支払うことになりました。この件について税金上どのような取扱いになりますか?

受付
A

会社が元従業員Aに支払った残業代平成21年分60万円と平成22年分50万円は会社が支払ったとき(平成23年7月)の経費になります。
  元従業員Aの受取る残業代は平成21年分60万円、平成22年分50万円をそれぞれの年分の給与に加算して給与計算をやり直しすることになります。

会社は残業代を含んでいるので未払残業代は発生しないと思っていましたが、具体的に何時間分の残業代が含まれているかを明記していなかったので、労働基準監督署から是正勧告を受けて残業代を精算することになりました。
 未払残業代を一括精算した場合、会社は支払時の経費になりますが、残業代を受取る従業員は原則として「支給日が定められている給与についてはその支給日、その日が定められていないものについては、その支給を受けた日」とされています。
 今回の事実関係では、平成21年及び平成22年に帰属する給与と解されます。
 この場合の平成21年分及び平成22年分の源泉徴収税額の計算は原則通り月々の 源泉徴収税額を計算する方法により計算することになります。
 また、過去の精算として賞与等として支給された場合には平成23年分の賞与として 給与計算をおこないます。
 会社は給与所得について源泉徴収義務を負い源泉徴収税額を税務署に納付し、元従業員Aに源泉徴収税額相当額を求償することになります。
 未払残業代が支給されることにより住民税、社会保険料も増加することになります。 扶養の範囲内で働いていた人に未払残業代が支払われた場合、扶養からはずれることに なる場合には扶養している人の税金が増えることになります。
  未払残業代は会社に大きな影響を与えることになるので法律に従って適正におこなうことが大切です。

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)

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