?相続税において特定居住用宅地等の特例適用面積が90㎡プラス?

(H27.1月号掲載)

Q

平成27年1月1日以後に開始した相続(又は遺贈)から、基礎控除額が4割縮減された反面、この課税強化の緩和策として、「小規模宅地等の相続税の課税特例」において変更され た項目は何ですか。

受付
A

平成27年1月1日以後、相続税の基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人数に縮減されました。
 この課税強化の緩和策のひとつに「小規模宅地の相続税の課税特例」の見直しがあります。具体的には、①特定居住用宅地等の特例に係る適用対象面積の上限が240㎡から上限330㎡(90㎡プラス)に、②特例対象宅地等が複数の区分にまたがる場合は、事業用、居住用は完全併用適用可能、貸付事業用を選択した場合は調整計算可能などの変更がなされました。

解説

 相続税の基礎控除額は、例えば、法定相続人が配偶者と子供2人の場合では、昨年までは8000万円(=5,000万円+1,000万円×3人)であったものが、4割縮減され4,800万円(=3,000万円+600万円×3人)になります。
 「小規模宅地等の相続税の課税特例」とは、個人が相続又は遺贈によって取得した財産において、その相続の開始直前に当該被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた一定の宅地等がある場合に、この特例の適用を受けることを選択したときは、限度面積要件を充足するものについて、相続税の課税価格の計算に算入する金額は、当該宅地等の通常の価額に一定の割合を乗じたものとするという制度です。被相続人が住んでいた自宅の土地や事業用に使っていた土地の場合、相続または遺贈により取得した場合、一定の要件のもと、その評価額を最大80%減額することができる特例です。
 これに関する変更ですが、①特定居住用宅地等(被相続人あるいは生計を一にする親族の自宅用の土地)に係る特例の適用対象面積が330㎡までに拡充されました。
②特例の対象として選択する宅地等の全てが、特定事業用等宅地等(個人事業あるいは同族会社で使っている事業用の土地)と特定居住用宅地等だけである場合には、それぞれの適用対象面積(特定事業用400㎡、特定居住用330㎡)上限まで完全併用が認められました。仮に貸付事業用宅地等があっても選択しなくても可です。すなわち、事業用宅地等の限度面積400㎡と居住用宅地等の限度面積330㎡を合わせた730㎡まで適用可能となります。事業経営者は子や孫に事業を継承させ、遊休地や駐車場の所有者は、その土地を活用して子や孫と一緒に起業し、その事業を継承してもらえば、事業用宅地について特例が使えて減税効果が見込まれます。貸付事業用宅地等(貸家やアパート、駐車場、駐輪場等の敷地)を選択する場合における適用対象面積(貸付事業用200㎡)を選択した場合は調整計算を行います。選択するか否かの判断で、有利不利の選択の差が生じることがありますので注意が必要です。

 なお、小規模宅地の特例適用を受けるには、まず、特例が適用できる「一定の要件(人、 土地の用途等」を備えているか等の検討を行い、そして遺産分割が必要となります。

詳しくは各自治体ホームページなどでご確認ください。

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)

http://www2.kinzei.or.jp/~himeji/