?消費税率が上がる前なのに、なぜ消費税の納税額が増えるの?

(H27.12月号掲載)

Q

当社は不動産業を行っている3月末決算の法人で、消費税は簡易課税制度を選択しております。先日、取引先から「おたくも消費税が増えて大変だね~」と言われました。消費税率が10%に上がるのは、まだ先のことだし、どうして取引先がそんな事を言うのか教えて下さい。

受付
A

御社は不動産業を営んでおられ、消費税について簡易課税制度を選択されております。平成27年4月以降に開始する課税期間からは、不動産業に適用される「みなし仕入率」が、50%から40%へ変更されております。そのため前事業年度と同程度の売上高の場合には、課税仕入れ等に係る消費税額が減少する傾向となります。よって当期(平成27年4月~平成28年3月)の消費税の納税額が増える見込みであると考えられます。

 簡易課税制度における納付する消費税額の計算は、課税標準額に対する消費税額(売上に係る消費税額)に事業の種類に応じた一定の「みなし仕入率」を乗じることにより、課税仕入れ等に係る消費税額(控除できる消費税額)の合計額を計算します。したがって、中小事業者にとって消費税納税額を簡易に計算でき、事務の煩雑さを軽減できる方法とされております。
 この簡易課税制度の「みなし仕入率」が、平成27年4月以降に開始する課税期間より一部見直しが行われました。具体的には、下記に記した業種に対して改正されています。

《平成27年4月以降に開始する課税期間より見直された「みなし仕入率」》

不動産業・・・・・・第5種事業(50%)⇒第6種事業(40%)

金融業、保険業・・・第4種事業(60%)⇒第5種事業(50%)

 これらの業種では、いずれも「みなし仕入率」が低く設定されましたので、控除できる消費税額が減少し、納付する消費税額が増加します。

《納付税額の計算例》

不動産業 売上高4,000万円(不動産専業、売上高は全て課税対象)の場合

【従  来】4,000万円×8%-(4,000万円×8%×50%)=160万円 32万円増
【見直し後】4,000万円×8%-(4,000万円×8%×40%)=192万円

 また個人事業者は、原則的に平成28年の課税期間(平成28年1月~12月)から適用開始されるケースが多いと思われます。

参考 《事業区分別のみなし仕入率》
第1種事業(卸売業) 90%
第2種事業(小売業) 80%
第3種事業(製造業等)農林・漁業、建設業、製造業など 70%
第4種事業(その他)飲食店業など 60%
第5種事業(サービス業等)運輸・通信業、金融・保険業、サービス業 50%
第6種事業(不動産業) 40%

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください(近畿税理士会 姫路支部)

http://www2.kinzei.or.jp/~himeji/